今日は早稲田で開催されたL.S.Hartのセミナーに参加してきました。HartはBOPビジネスをプラハラードと提唱しただけでなく、その後の「BOP1.0とBOP2.0」という議論、BOPを含めた人類の持続可能な開発という壮大な主張を展開した重要な学者だけに、かなりの期待が集まっていたようです。定員もすぐに埋まってしまったとか。以下簡単にHartの公演とパネルディスカッションをまとめたものです。()内は自分の補足と意見ですので、Hartの主張とは混同しないで頂ければ幸いです。
20110628
スチュアートハート公演
日本の経済成長も最初からハイエンドであったわけではない
日本がたどってきたプロセス、ローエンドから始まりハイエンドに至った、その経験ががBOPビジネスに適しているのではないか
日本の経済成長の新たな源泉と同時に、人類の持続可能な発展に寄与するもの、それが「BOPビジネス」
(Hartの本とか過去の論文を読むと分かりますが、基本的に彼のメインの主張はサステイナビリティだと思います)
最初に概念を提唱してからすでに10年たった、何を学んだか
97年初版出版
最初は論文を出しても誰も出版しようとはしなかった(笑) ネットでの販売をしていたところ興味を持った人が少しいた程度
BOPラーニングラボは2000年の時点ではじめていた
その後今に至る前爆発的な認知を獲得するようになった
もともとのタイトルは
「rasing BOP 副題 sustianable development for all of human kindes」(みたいな??)
出版社が「The fortune at the bottom of the pyramid」にしただけ。企業ウケしないから??
HartとPrahaladの思いは元タイトルの持続可能な開発に向けたビジネス戦略について
(ここは凄く大事なポイントで、こうした壮大な思想の下で生まれてきたのがBOPビジネスだし、それが個人的な興味の源泉。単なる市場戦略ではないと思う。)
その後多くのバズワードが出現(Ex Hyblid Value Chain Social Business)
全ては同じアイデア、フィランソロフィーでもあれば市場戦略でもある
この10年の間に生まれた二つの問題(Hartの主張のポイントだと思います)
第一の問題
「BOP1.0」(BOPを消費市場としてしか考えていない)
一般的に企業の経験は低価格(サシュモデルやシェワモデルなど)
現地資源や、現地ネットワークを供給システムとして活用、コストダウン
NGOとの連会による、ナレッジとネットワークの共有、などなど
これらが重要なイノベーションでないということではない
しかし、これはハンマーを持った子供「Selling to the Poor」でしかない
(現状のリソース(ハンマー)で、出ている杭(BOP消費層)をとにかく叩く)
風刺画の紹介「ピラミッドの底にはフォーチュンはない」
BOPビジネスは新たな企業帝国主義なのか??
第二の問題
サステイナビリティ(BOPの成長と人類の持続可能な発展)
エコロジカルフットプリント
Collapse
人口の急増、資源の需給のバランスの崩壊、
I=PXAXT について、人口の増加、消費の増加、技術
1990は50億人、今は70億人
クロノセントリズム、みんな大事な時代に生きていると思っている。
I=PA/T ICTの環境配慮、現地の土壌の保全、
→グリーンリープの重要性へ
BOP1.0からの脱却
BOP市場における…
内在化されたイノベーションへ、価値の共創、インパクト査定
グリーンリープ、収束、トリックルアップ
MOPからBOPへ、BOPはアンタップマーケット、これらは間違った認識
NeedsはDemandではない
AffordabilityはPurchaseではない
TOPは既存の市場でニーズをつくる
BOPは既存のニーズに市場をつくる
(これはすごく重要なまとめだと思います)
これまでの重要な成功、灌漑ポンプ、グラミンフォン、マイクロクレジット、それらを支えるものは何か
その製品を欲しているわけではない、そのビジネスを通じて得られる経験がBOPにとって価値がある。
フォーチュンをBOP層と一緒に作る
BOP1.0からBOP2.0
パートナー
深い対話
創造力
マリーケイパビリティ
サステイナブルテクノロジー
直接的な関係をきずくこと
構造的イノベーションから内在化したイノベーション(Embedded Innovation)へ
父の欲望と母の愛
環境と貧困、持続可能な開発のニーズ、そこにビジネスチャンスがある。
クリーンテクノロジーとBOP→グリーンリープ
テクノロジーフォーカス、ビジネスモデルフォーカス
二つのクリーンテクノロジー
Green GiantとGreen Sprout
分散型からはじまる破壊的イノベーション(ex LED、OLEDs、Miceoturbeins、Fuel Cells、POU water treatment、ナノテクノロジー、Sustianable ag、Biomaterials) (あとはミミクリー系の話も取り上げていたりしますね)
リーフフロッグテクノロジー、BOPトリクルアップ
次世代産業のインキュベーション
リバースイノベーション
例
Tsinghua Solar
Xinri Electric Bike
精華陽光 中国 ソーラー マイクロファイナンス
最後にBOPビジネスとグリープリープのビジネス戦略としてのロジック
潜在的市場
リープフロッグイノベーション
将来の競合相手への先制攻撃
BOP層から生まれるビジネス、それが21世紀の巨大企業になっている!!
パネルディスカッション
①財務パフォーマンスと社会パフォーマンスの決定と評価
②パートナーシップ
③BOPビジネスを推進をするための組織、人材、アプローチは
JICAのFS調査について、開発効果が前提、財務問題はあくまでその前提のための手段的な位置づけ
そのために財務を含めた評価軸を勉強しているところ
援助効果がどう出てきたかを事後評価することはこれまでもやってきた、その評価のノウハウをどうやっていかすことができるか
(まだまだ決まっていないこと、中身がつまっていないことが多い印象、ビジネスの社会的評価について)
ハート、開発効果の測定からビジネスへの応用、どう思うか??
CSVについて言及。相互価値の共創に関して
ステークホルダーの価値について
まあ、言うのは簡単だけどみんなできてないのかもねみたいなニュアンス
ロンドンとのBOPインパクトアセスメント
事業の立ち上げ後に評価しても意味がない、遅すぎる
informativeと(もう一つ何て言ってたか聞き取れず)な評価が大事
NRI ビジネスの財務指標化の難しさ、
中長期の経営判断がある企業はいいが、多くの場合BOPビジネスをどう捉えるべきかが分かっていない
ビジネスだから新規事業としての評価をしてしまいがち、しかし、そうではない。赤字が続くPJは社会貢献活動にしてしまえばいいというわけでもない。
何を比べればよいかというのが難しい
NRIでは新興途上国のTOP、MOP、BOPを横断する包括的なアプローチを取る
包括的なアプローチを取っている案件はもうすでにあるのか
収益の出るところから始めていけばいいのではないか、そう考える企業は増えてくるだろう
ハート BOPへの固執の難しさ、そこからMOPで妥協するケースは充分あり得る??
グラミンフォンなどについて
BOP、MOP、TOPのダイナミズムがある
静学的でない、動学的な長期スパンで見ることが大事ではないか
ダイナミズムを日本企業が見過ごしている
リバースイノベーションなど
展開するときの形式、パートナーシップについて
(この辺から何の話をしているのか、若干追いづらくなったのは集中力が切れたのか、それとも何の話をしているのか本当によく分からないディスカッションだったのか。とりあえずメモだけ記載しておきます。)
政府にできることについて
資金、ナレッジ、をやる気のある人に FS事業はそういったたぐいのもの
政府からの支援ツール、国内制度の充実
海外であげた収益を日本に持ち込む際に15%税金へ、それが一定条件でなくなった
パートナーシップについて
SEMsにとって特に重要
起業家、技術起業家、こうした人達を見つけパートナーシップを組むことが大事
VCやインベストメント銀行
どうやってSMEsを見つけるのか、鼻が利く
日本ではそういった現状はあるのか
METI、NRIで調べている
日本でそういうことをやっているキャピタルが少ない
間接金融銀行が多いため、直接金融で海外展開するVCなどが少ない
海外市場に地方銀行が融資する等の動きはある
間接金融と直接金融、日本は間接金融
クリーンテック革命
クリーンテックは120社中2社くらいだったVC
Hart 現地の社会起業家への投資に関する理想主義
米国型の技術、米国型のビジネス
TOPのバイアスにすぎない
VCは全く興味ない、1ビリオン稼げることを示すまでは入ってこないだろう
組織と人の話
次世代経営陣へのワークショップの中でBOPを扱う
先進国とは違う仕事に携わることに
Hart キャリアとHRの側面
両足を縛られた大企業
JICAの海外青年協力隊の短期版の試行錯誤中
(これは実際面白いと思う)
中央集権から生態系型組織へ
現地への土着化
リアルオプションについて
大企業の中に予算を確保するスペースを作らなくてはならない
(そう、正直この辺の話をもっと掘り下げなくちゃ意味がないのだけど、時間切れ)