カテゴリー : イントラプレナー

ポールポラックのTEDトークと日本語版「Out of Poverty」


ポールポラックのTEDトーク。ポールポラックの著書「Out of Poverty」が日本語で「世界一大きな問題のシンプルな解き方」として出版されるそうです。BOPラボの槌屋さんもあとがきを書かれているそうなので、是非チェックしてみて下さい!! via @NextBillion: Worth ur @OutofPoverty ‘s Polak’s #TEDx bringing people out of poverty lies with a rev in big biz http://bit.ly/lOJcao

BOPビジネスの次の波をリードするもの

NextbillionにBOPビジネスと社内社会起業家(ソーシャルイントラプレナー)についての良記事があったので紹介です。BOPビジネスの定義もいろいろあるようですが、貧困の削減に資するビジネスを目的としたとき、そのための意志決定を企業が下すことはまだ難しい。そんな中でもミッションを持って組織を動かしていく社内社会起業家について、その課題と提案についてまとめられています。個別の事例についてもリンクを張ったので、参考になればと思います。原文はこちら、以下和訳要旨です。

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あなたのGoogleアラートが、私のように設定されていたなら、誰もみなピラミッドの底辺(BOP)の開発を担う手段として、市場ベースの活動、つまりビジネスの可能性に気付き始めていることが分かるかもしれない。そこには確かに、貧困の削減という社会的価値追求しながら利益を上げるビジネスになると信じる理由がある。これは、大企業がダブルボトムラインの取り組みとして、真剣にビジネスと貧困の削減を両立するアプローチを取ることにつながるかもしれない。

しかし、現状を見てみると、それができている企業はほんの一握り。ほとんどの企業は近づくことすらできていない。 続きを読む

ビジネスと社会セクターの革新的な連携とは??

営利企業のビジネスとミッション性の強い個人、そして組織によるコラボレーションの重要性が説かれるようになっている。今回は、アショカのビルドレイトンも執筆しているHBRの記事「The New Alliance for Global Change」と、それに関するNextbillionの記事、そして「The New Pioneers」という文献を通して、このビジネスと社会セクターとの革新的な連携の潮流についてまとめていく。(今回は和約記事ではなく、統括的なまとめ記事なので、詳細は各リンクを参照してください!!)

  1. 「The New Alliance for Global Change」要旨
  2. Nextbillionより「 How are Hybrid Value Chains different from CSR, BoP, Inclusive Business?」
  3. The New Pioneers 要旨

アショカのビルドレイトンはHVRでの記事「The New Alliance for Global Change」の中で、営利的企業と市民社会組織(CSOs)との協働による、ハイブリッドバリューチェーンの構築の重要性について説いている。

ハイブリッドバリューチェーン(HVC)を築くことによって、営利企業と市民社会セクターは、グローバル経済を変え、永続するソーシャルイノベーションを生み出すことができる。ビジネスは規模と起業家、そして資本を提供する。社会起業家は、より低いコスト、強い社会ネットワーク、そして深い顧客とコミュニティへの理解を提供することができる。以下はHVCの4つの基準である。

  • ビジネスのスケーラビリティ
  • 営利企業と社会起業家とが多様な価値を共創すること
  • 広義での顧客が製品サービスに対価を払うこと
  • 従来の仕組みを変えるような、新たな市場を作り出すアイデア

HVCはビジネスとCSOの共同によって、大きなシステムの変化を生み出す。その変化は市場におけるゲームのルールを変えながら、リスクとリターンを明確にして「価値」の再定義を可能にする。 続きを読む

リコー志チーム「閉塞感と社会との接合点」

連載企画として株式会社リコーのBOPプロジェクト「志チーム」を取り上げています(過去記事はこちら→第一回目第二回目)。第三回目となる今回は、インタビューから見えてきた日本企業が抱える閉塞感、そしてそれを打破するきっかけとなりえるBOPビジネスについて考えてみます。

日本が抱える「閉塞感」

インタビューの中でリコーに数十年務めるメンバーは、リコーを含めた日本企業全体が抱える「閉塞感」について言及されていました。「昔は自分達のビジネスを通じて、人々の生活が改善されていくとき沸き立つ何かがあった。しかし今はそれがない」と言います。国内は悪い意味での充足感に満ちているのだそうです。
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14のパラダイムシフト by The New Pioneers

「The New Pioneer」の中に、ここ最近でビジネスや開発、サステイナビリティの分野で起きている時代の大きな変化(パラダイムシフト)をまとめた図表があったので、和約でまとめました。各項目へのコメントなどはおいおい行いますが、とりあえず。

リコーの「志チーム」② 社内説得の秘訣!?

この連載では、株式会社リコーのBOP志チームの活動を連載企画として取り上げています。第一回目はこちらから!!
「社会の課題を解決しながら、リコーも企業として成長したい」という志を具現化するためには、志をビジネスの言葉に置き換えて社内を説得していく必要があります。今回はチームがこれまでに行ってきた社内説得の道筋の一部を取り上げ、そこからイントラプレナーがミッションを実現していくためのヒントを探していきたいと思います!!

  • 志チームの社内ネットワークの存在
  • 社内説得のための説明① 「持続性」と「事業の成長」
  • 社内説得のための説明② BOPビジネスの副次的リターン
  • 社内説得のための説明③ 有無を言わせない「創業の精神」
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    ソーシャルイントラプレナー:リコーの志チーム

    このブログの中では、情報収集&発信と並行して、企業の中で実際に活動する「イントラプレナー(社内起業家)」へのインタビュー記事も紹介していこうと思います!!  第一回目となる今回は、株式会社リコーの「志チームができるまで」と題して、メンバーの紹介と社内イントラプレナー達がいかにつながり、チームの発足に至ったか、またそこから見えてくるネットワークの重要性について考察を加えたいと思います。

    ☆そもそも、(ソーシャル)イントラプレナーって何?

    (ソーシャル)イントラプレナー(社会社内起業家)とは、企業などの組織に属しながらも、その企業の力を社会問題の解決に活かそうと活動している人々のことです。僕達はよく、企業を一人の人間であるかのように固有名詞で呼び、その中の個人の多様性への関心が薄れる傾向があるように感じています。

    しかし、実は欧米などの先進的な事例の多くは、企業の中で社会課題に対して疑問を持ち、自社の力をつかってそれを解決できないだろうかという個人の思いが原動力となって生まれてきたことが分かってきました。08年に出されたこちらのレポートなどでも、それらの事例を扱っています。(これは別途、このブログの中で紹介していきたいと思います)

    余談になりますが、この連載を通じて、「志」という火を心に灯しながら活動を続ける人達が企業内にもいることを、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思い、今この投稿を書いています。それが、心に火を宿しながらも次の一歩を踏み出せずにいる企業人、またその火を持ってこれから社会へ飛び立とうとする学生達に、勇気と少しの道筋を与えるものになればと、そんなことを考えています。

    そんな思いを背景に、これから4回の連載では株式会社リコーの「志チーム」の活動を取り上げたいと思います!! リコーの「志チーム」は新規事業部、技術関係者、そしてCSR室の出身者がコアメンバーとなり、BOPビジネスを通じて自社が貧困問題の解決の担い手になるという志の下、2008年10月に発足しました。当初は一部の社員の「志」から集まった小さな活動でしたが、インドでのBOPビジネス調査など現在ではリコー社内での大きな動きへと発展しつつあるようです。

    第一回目となる今回は、リコーの「志チームができるまで」と題し、メンバーの紹介と社内イントラプレナー達がいかにつながり、チームの発足に至ったか、またそこから見えてくるネットワークの重要性を紹介していきたいと思います。

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