マイクロクレジットの5つの幻想
ポールポラックのブログの中で、「マイクロクレジットに関する5つの幻想」と題された記事があったので簡単に紹介です。マイクロクレジットというイノベーションが生まれてからすでに30年以上が経っていますが、その成功を賞賛するだけでない、建設的な議論がまとめられていると思います。ブログの記事をベースに、ところどころ補足などを加えているので、ポールポラックの書いた記事の原文を読みたい方はこちらを参照してください。
幻想① マイクロクレジットが貧困から抜け出すための方法であると科学的に証明されているということ
マイクロクレジットは国際開発の分野で広く注目を集めているにも関わらず、その正当性が完全に証明されているものではない。例えば、無作為コントロール試験(RCTs)を用いてマイクロクレジットのインパクトを評価したイェール大学のDean Karlanによれば、マイクロクレジットのベネフィットは、それが貧困の解決という望まれるベネフィットの生み出すための決定的な要因であるということではなく、マイクロクレジットを通じていくつかのベネフィットが観察される、という程度に留まっていると言える。